淡海
こんにちは、淡海(タンカイ)と申します。
山歩き、その道具類や考え方、精神論、野宿の方法、歩行禅から野グソまで「山は登るだけでは無い」事を色々書かせて頂きます。
本業、フリーライターです。

男なら起ってゆけ
女はただ寝て待て
頭より素肌で感じる山歩き
こんにちは、淡海です。
今回は南八ヶ岳です。
中央本線を乗り継ぎ、標高790mの茅野駅で下車。
駅前のスーパーで物色しつつ、食料の最終チェックを終えバスに乗り込みました。
朝食にスーパーのおばさんが握ったシソオニギリを買って食べました。
バスは満席で全員登山者。
1時間ほどで美濃戸に到着。

11:02
赤岳山荘前にて靴の紐を締め、ザックのフィッティングを調節します。

歩き始めてすぐにカモシカが横切る。

11:32
美濃戸山荘で水を1.5リットル補給。
八ヶ岳は水場が多く、適度に山荘が点在しているので、飲料分だけ持ち歩けば十分です。

トマトは1つ100円。
持って行きたかったですが、潰れそうだったのでパスしました。

苔に覆われた静かな登山道。
スタート地点からそこそこ標高がある為か、空気はヒンヤリと冷たいです。
荷物がまだ体に馴染まず、息が少しあがる。

12:19
川原で最初の休憩をとる。

もちろんWalkersを持ってきているので1本食べる。

今回は新たにHoney Roasted Peanutsを導入しました。

ナッツは登山行動食の定番ですが、日本製のピーナッツはどうも酒のアテ的な位置を確保しており、食べ続けると"豆酔い"してしまいます。
この舶来のピーナッツは塩が濃いので、普段あまり食べ過ぎると体に悪そうですが、汗とともに塩分を損失してしまう山では効果的ではないかと思われます。
加えてハチミツの甘味があるので糖分も同時に吸収でき、エネルギーの生成には無駄がないのではと勝手に判断しました。

チューバッカのようにフサフサな苔を肌に感じながら進む。
途中、北沢と南沢の分岐点に差しかかりました。
北沢ルートを選ぶ。

13:11
横岳、硫黄岳が見えてきました。
ガスに覆われています。

沢に沿って進む。
沢の岩肌は赤褐色で水が赤く見えます。

苔も色素を吸ったのでしょうか、紫色の部分もあり浮き世離れした地形であります。

沢を抜けると山道歩きです。
歩き始めてからほとんど登りがなく、奥へ奥へと進む道が続きます。

13:21
赤岳鉱泉に到着。
ここを基地にして登る人も多いようで、いくつかテントが張られていました。
岩登りの訓練もできるようです。

ここで休憩とし、ラーメンを作る。
パッキングのし易さがバツグンであるマルタイ棒ラーメンに薫製タマゴを入れる。
薫製タマゴはある程度日保ちするので、大いに助かります。
焼豚のブロックも持ってきたのでナイフで切り、2つ入れました。
男はナイフで肉塊を削ぎ、口に入れるのがダンディズムの象徴ともいえます。
私はオカマなので、小指を立てながら薄く切り、ラーメンの汁が飛び跳ねてアツッ! ってならないようにそっと鍋に入れます。

食べ終えると本日のベースキャンプである行者小屋を目指す。
予想外の登りが続きます。

あと10分。

15:20
行者小屋に到着。
ここは八ヶ岳最高峰である赤岳に近い為、テント村が繰り広げられていました。
Tシャツでは寒いので一枚羽織る。

見上げると赤岳がそびえる。
赤く剥き出す山肌に興奮をおぼえます。

本日の行動は終了です。
かつての野宿塾同士とここで待ち合わせをしているので、とりあえず天幕を張る。

たいして歩いてもない1日でしたが、テントで横になる。
前ノリして硫黄岳、横岳を歩いてきた塾生達が行者小屋へ着いたのは17時前。
ガスで視界がホワイトアウトしてたとのこと。
確かにガスが多く、天候が回復するのを祈ります。

夜は3人林の中にテントを張り、晩ご飯を食べました。
小雨がパラついていましたが、久しぶりにゆっくり交わす友との会話は充実した時間でした。

今回もカルビとニンニクの芽を持って来てたので、ご飯と一緒に炒める。
シャキシャキしたニンニクの芽の食感と、甘味のあるカルビの脂身が美味い。
ダウンベストを装備に加えてましたが、それでも寒い。

20:42
本日は疲れるほど歩いてなかったので、あまり眠くない。
2人は疲れたのかすぐにイビキをあげる。
寝袋に潜り込み、本を読んでラジオを聴く。
シトシトとだけ響く静寂の夜でした。

6:05
翌朝。
天気がよくない。
時折バタバタと雨がテントのフライシートをたたく。
雨の中、早朝から赤岳アタックに挑んだ人が居たようですが、引き返してきていました。
上のほうは、掴んだ岩から指がはがされそうなほどの突風とのこと。
山小屋の方も、今日はやめたほうが良いと言う。
残念。
あきらめてもう一日ここで待機することにしました。
塾生2人は今日で下山する。
気をつけてと別れ、また独りになる。
雨だし辺りを散歩することもできない。
周りも同じような境遇の山屋がウロウロして時間を持て余している。
私はテントで一日過ごすと決めました。
テントは大好きだから、まったく苦ではないです。

7:42
とりあえず、オニオンスープにパンを浮かべた朝食。
食後、本を読む。

14:18
また、ラーメンを食べる。
クリームチーズを入れ、味に変化をつけました。
これは大正解で美味かったです。
食後、本を読む。

20:12
トマトとガーリックのペンネと野菜味噌汁。
排泄以外動いてないけど、腹は減る。
食後、本を読む。

夜中、フライシートが老朽化の為か、加水分解してジップが剥がれる。
応急処置するにも湿気でベタベタなのでどうにもできませんでした。

23:08
就寝。
食べて本を読み、クソと小便をしただけの一日が終わりました。
おかげで体力はフル充電される。
夜も雨、時折豪雨。
明日は何が何でも登りたいので晴れてくれと祈りつつ眠りました。
後編へ続く。

こんにちは、淡海です。
「丹沢主脈縦走路〜後編〜」をお送りします。
日の入りまでの時間が迫り、水がない。
困ったので尊仏山荘の主人を訪ねてみました。
"尊仏"というぐらいだから、さぞかしヘンクツそうな親父さんを想像していたのですが、意外に若くてオープンマインドな方でした。
「御免下さい。すいません、この先を下った所の水場は枯れてるって聞いたのですが...」
『いや、ガンガン出てるよ』
「ええ!?」
『テント泊でしょ? 一応、丹沢はテント泊禁止だからコソっとね』
「はい」
『本当は丹沢もテントを解禁にしなきゃダメなんだよ。テントじゃないと若い人もなかなか来ないしね。自分も山へ行く時は絶対テントだもん。わざわざ山へ行って建物の中に泊まる必要ないでしょ? 行政のバカはそんなの分かってないんだよな』
「はぁ...」
『とりあえず荷物はここに置いといていいから谷を下って水を汲んでくれば?それからこの先の竜ヶ馬場でテント張るといいよ、眺め最高だし』
山荘の主人にもかかわらず、天幕指示者。
"山で遊ぶ"ということの神髄と行政に対する小さなアナーキズムが僕のハートを打ち抜きました。

水場まで20分ほど下る。
勢いよく流れ出る清水。

満充電。
水さえあれば怖いものはありません。

18:32
丹沢は崩壊している道も多いです。
竜ヶ馬場へ向かう。

18:42
富士山を横目に急ぐ。

夕日に向かって歩く!

夕日の射す金色のトレイルは涼しい風が吹き抜けます。

19:07
西に太陽が沈む頃に竜ヶ馬場に到着。

3分ごとに空が7色に変化する。
なるほど、素晴らしい天場です。

本日はネオンに抱かれて眠ります。
苦労して手に入れた夜景は銀河のようです。

21:15
カルビとニンニクの芽を炒める。

米が炊きあがったのでそれを丼にする。

残ったご飯にチゲスープを入れてクッパにする。
気を失うまで食べる!食べる!食べる!
山では胃液が出そうなまでに腹をすかせて、胃がバーストするまで食べるのが気持ちヨイです。
むさぼり、野獣であれ。

22:41
食べたら泥のように眠る。
歩く、食う、寝る。
シンプルな行動にこそ"生"の実感があります。

7:02
起床。

起きても食べる手を休めてはいけない!
ポルチオクルミパン、イマラチオソーセージ、アクメチーズにシーメールリンゴ、そしてカムショットミルクを飲む。

虫も一緒に飲む!
食べたら食器を洗う。
キャンプ場などでは洗剤でガシガシこすって洗ってる人をよく見ますが、そのような必要はございません。
食べた後は少量の水を鍋で沸騰させ、まだ熱いうちにサッとチリ紙で拭います。
これでほとんど取れます。
その前に食べ残しの米粒やカスは味噌汁などを入れ、こそいで出来るだけキレイに食べて汚れを最小限に止めることが必要であります。
ぶっかけご飯は下品とされていますが、山では紳士的な作法です。

8:29
食べたら歩き始める。
靴は一心同体。
ザックは同行二人。
2日目になると野外道具の相棒達は体の一部と化す。
道具は便利な部分を褒めたたえ、欠点は頭を使って補う。
何でもスイッチひとつで済んでしまう時代ですが、それでは発想が腐ってしまうように感じます。
手間や苦労も楽しいものでございますよ。

丹沢山までグングン歩く。
山頂はそのままスルーする。

アップダウンがひたすら続く。
1日目はネタネタな汗が出ますが、2日目になると日頃の不摂生が流れ出たのかシャバシャバの水のような汗になります。

ガスがかなり出てくる。

11:52
神奈川県最高峰、蛭(ヒル)ヶ岳にある蛭ヶ岳山荘。
さすがヒルの巣窟だけあるネーミングです。

ここでピスタチオとチョコを食べて小休止する。
耳鳴りするほど虫が多い。
丹沢はヘルメットを被り、腰にロープとカラビナをいっぱいブラさげ、足袋のようなフラットソールの靴を履いた"沢屋"ともよく出会います。
"沢屋"とは沢登りを愛する人達の俗称です。
沢や滝をひたすらよじ登り、主に川原でタープにて寝泊まりしています。
"沢屋"に対し、山をやる人のことを"山屋"といいます。
一概にはいえませんが、"沢屋"と"山屋"はちょっぴりライバル心を持っているように見受けられます。
"沢屋"は、『ああ、山屋のヤツか』と鼻で笑うし、
"山屋"は、『なんだ、沢屋か』と下に見ます。
そんなもんどっちでもええやんけ、と思いますが、このVSな感じが私は何とも好きであります。
お互いポリシーを持って山に挑んでいるのでしょう。

蛭ヶ岳を越えてひたすらブナ林を歩く。
原小屋平に水場があるようなので、そこを天場に定める。

14:16
原小屋平。
かつて山小屋があった場所だけに天幕を張るには好条件の芝生地帯。
ただ虫が多いのには悩まされます。
時間的には、まだ少し早いですが暑いし、しんどいので行動ヤメ。

ロープをつたって崖を降りると、水アリ。
ここの水場は注意が必要で、あやまって転落すると大変な場所にあります。
今回一番の名水が岩の間から勢いよく噴き出しています。
手がかじかむほどに冷たいです。
岩に口を吸い付けガブ飲みするし、美味過ぎる。

15:22
遅めの昼飯。
昼は米を炊くのが面倒臭いのでフリーズドライの梅わかめご飯。
豚肉の味噌漬けと赤だし。
夏山では生肉を凍らせて新聞紙に包んで持って行くと2日ほどもちます。
少なくとも腹を壊したことがないので、たぶん大丈夫でしょう。
肉の味噌漬けや塩着けは腐食を遅らせるので3〜4日大丈夫ではないでしょうか。
食後は本を読んだり、ラジオを聴いて過ごす。

22時頃また腹が減ったので、麻婆春雨(辛口)に残り物のにんにくの芽を入れご飯にかける。
めっぽう美味い。
食ったら寝る。

5:06
起床。
天気が良いです。

あきれちまうぜ、まるきりタイフーン!
テントに鳥がババをしている最高の目覚め。
シングルウォールテントの為、結露がヒドい、まもなく暑い。

朝からラーメンを食べる。
山では満腹中枢がブッ壊れます。
山食御用達のマルタイ棒ラーメンに乾燥ホウレン草と乾燥ネギを加える。
野菜は重く、傷むので乾燥食品はありがたい。
今度は高野豆腐を持って来るのもいいな、と思いながら汁をすする。

足りなかったので、グラノーラに粉末ミルクをかけて食べる。
ようやく満腹になる。

11:12
すっかり雪が溶けてしまった富士山を見上げ、丹沢に別れを告げる。

13:05
下山後、"いやしの湯"で汗を流す。
日焼けがヒリヒリしてたのであまりゆっくり浸かれませんでした。

例に違わず田舎の商店をチェックする。
"玉利屋商店"さん。
アイスクリームを買って食べました。
照りつける太陽、セミの声、古い木の匂いを感じながらベンチに座っていると、夏休みがフラッシュバックしました。
大人になって忘れてしまったと思われていたアノ感覚は、心の原風景としてしっかり存在しております。

帰りのバス。
同じく山歩きしてたオジサンもお疲れのようです。
みなさん、夏はまだまだこれからです!
頭がちぎれるほど暑さを堪能し、サマーマッドネスを楽しんで下さい!
山!山!山!
ただただ山へ行きます!!!!!!!!!!!!!
オワリ。
次回は"八ヶ岳"です。
本日は以上です。
次回もよろしくお願いします。