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山行革命
山行革命
淡海
こんにちは、淡海(タンカイ)と申します。
山歩き、その道具類や考え方、精神論、野宿の方法、歩行禅から野グソまで「山は登るだけでは無い」事を色々書かせて頂きます。
本業、フリーライターです。

第五十七話 「丹沢主脈縦走〜前編〜」

10/07/29

IMG_8936.jpgこんにちは、淡海です。
梅雨も明け、夏真っ盛り。
山は歩行者天国、登山狂時代の幕開けです。
丹沢主脈縦走路を闊歩して参りました。

渋沢駅でバスに乗り、大倉から北上して行く縦走コースを取りました。
山へ登り、同じ道を下って戻って来ることをピストンといい、山々を越えて直進し、別の場所へゴール地点を設けることを縦走と申します。
小生、夜のチョメチョメはゴー・ピストン・ゴーでございますが!
山はもっぱら縦走であります。

IMG_8711.jpg10:24
丹沢大山国定公園保安林からスタート。
丹沢主脈縦走路はガチガチの行程で組めば1泊2日でも可能ですが、そのようなことはしんどいので2泊3日で歩くことにしました。
気温は34℃、汗が滴り落ちます。

IMG_8708.jpg牛を横目に歩く。
ハエが多いです。

IMG_8712.jpg丹沢といえばヤマビル、というぐらいヒルが有名な山です。
東丹沢はヤマビル大量生息地なので、今回はパスしました。
ヤマビルは木の上や地面で動物が通るのを待ち続け、体温を感知すると吸い付きに来るという世にも恐ろしいハイテクセンサー付きモンスターです。
靴が地面に着いた瞬間だけでも、飛び移って足首に向かいます。
木で待ち構える者は、首筋に吸い付いてきます。
私も何度かやられたことがありますが、痛みはさほど感じません。
ただ、大量の出血を伴うのでビックリします。
吸い付いているヒルをあわてて引き抜くと跡が残るので、火であぶるか塩で溶かすしか方法はありません。
登山者の多くは塩の入った袋を持っていました。
標高400mぐらいまで生息しているみたいです。
登山用品店では"ヤマビルバスター"なるヒル撃退薬が売っているので、気温の高い季節は役に立つと思われます。
しかし、私はヤマビル上等です!
短パンで挑みました。
何でって暑いもん。

IMG_8718.jpg11:40
丹沢の門をくぐる。

IMG_8720.jpg大倉高原山の家に到着。
丹沢は1時間おきぐらいに山荘があります。
これほど密に山小屋が点在する場所は他に富士山ぐらいでしょうか。
初縦走するには保険を打てるので最適な山と思われます。

IMG_8725.jpg水場があったので、少し補給。
運営費として20円を缶に入れます。
2kmほど先から水を引いているそうですが、非常にぬるくて美味しい水ではありませんでした。
ただ、丹沢は水場が非常に少なく貴重なのでありがたく頂きました。
私のシェラカップもいよいよ汚過ぎます。

IMG_8726.jpg山荘から町並みを望む。
奥に海が見えます。

IMG_8724.jpg今日もあります、タータンチェックの貴公子"Walkers"。
鼻を抜けるバターの香りと甘味の中にあるかすかな塩味。
酷暑の中、カパカパ感がハンパじゃないので水で流し込みます。

IMG_8729.jpg引き続き歩くと、

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見晴茶屋。

IMG_8733.jpg引き続き歩くと、

IMG_8739.jpg13:21
駒止茶屋。

IMG_8743.jpg引き続き歩くと、

IMG_8746.jpg13:59
堀山の家。
ここでは、オッサンが服の中にヒルが入ったと大騒ぎをし、嫁はんがしきりに塩をオッサンに投げつけていました。
オッサンが溶けました。

IMG_8748.jpgシャリバテを起こしそうになったので、ブースターを注入。
鼻から湯気が出るほどにエナジー。
シャリバテとは、またの名をハンガーノックと呼び、空腹のまま歩き続けると血糖値が下がり過ぎてエネルギー枯渇状態になることです。
砂糖よりもブドウ糖のほうがエネルギー変換速度に優れるのでオススメ致します。
ショッツ後、すぐにエンジンがかかり、意気揚々と歩き出します。

IMG_8750.jpg14:26
骨。
背骨の形からおそらく鹿のモノと思われます。
アリなどの昆虫による食欲とバクテリアによる分解能力は凄まじい。
肉片ひとつない完食ぶりに圧巻。

IMG_8770.jpg15:46
花立山荘に到着。

IMG_8759.jpg景色もよいですが、

IMG_8764.jpg夏の風物詩がまたたく。
まさかの山中でかき氷を販売しているではありませんか!
ひとつ所望しました。

IMG_8766.jpgチェストォォォォォ!!!!!!!!
グルグルグルガキコキコキコキカキ氷〜!!!!!

ツインカムターボ搭載のオジサンは瞬く間に氷塊をサラサラに砕きます。



IMG_8769.jpgバーン!!!
人里離れた山の中、いいのかな? と思わず躊躇してしまいます。

マンション型トルコ風呂の受付でポラに写った女の子を物色し、少し光りの反射とボヤケでごまかしてるけど、オプションのOKラインは、なかなかモノで迷ってしまう。
ええい! コレ!と指名して低音が完全にカットされたユーロビートの流れる個室へご案内される。
番号札を膝の上に置いて、棚からプレイボーイを取りパラパラめくること15分。
『28番の番号札のお客様、お待たせ致しました』という呼びかけとともに、ずいぶん早いな、と少し心配しながら妙にヤニ臭い古びたエレベーターに向かう。
エレベーターが開くとともに、ブランド物のバッグを小脇に抱えたあの娘が笑顔で手を振っております。
どっしぇ〜!!写真より全然可愛いじゃん! いつもは写真より4割減ほどで覚悟してるのに写真を上回るクリティカルヒット!
そのうえ、あのオプションアリなんでしょう!
たまりましぇ〜ん。
と、同じような感覚です。

IMG_8774.jpg閑話休題。
ここ花立山荘は歩荷物駅伝のゴール地点となっております。
歩荷とは山小屋などに食料を運ぶ人達の総称で、数十キロにもおよぶ重い荷物を担ぎ上げる勇者達のことです。
毎年、この地でそういった筋肉番付が行なわれています。
また、この辺りは水が無いため、かき氷の水も下から担ぎ上げて来てるそうです。
500円と少々お高いですが、苦労して作られたかき氷は美味さも格別です。

高温でヒートアップし過ぎた体をいきなり氷で冷やしたので、ブリザードアイアンクローを喰らい、腹痛に襲われる。
朝からちょっとした固形物しか食べてなかったので、ババを気張りながら貧血を起こしかけました。
少し座って休むと良くなりましたが、とんだロスタイムです。

IMG_8778.jpg16:41
塔ノ岳方面へ登っていくと、雲に覆われてくる。
涼しくて良いのですが。

IMG_8779.jpg林の中に"ブロッケン現象"が起こる。
別名"仏の後光"とも呼ばれますが、太陽光がさしこんで影の側にある雲粒が光りを散乱させ虹の輪を作る現象です。
山中、雲の中を歩いている時、条件が重なるとたまに見られますが、縁起の良いものです。

IMG_8781.jpg17:58
塔ノ岳に到着。
登山者情報によると、この近くの水場は枯れているとのこと。
持ち水はわずかで日暮れも近い。
困る。

後編に続く。

第五十六話 「水」

10/07/01

image1.jpgこんにちは、淡海です。
本日は生命の源、水についてのお話です。

山の水は美味いです。
苦しさの中で与えられる一杯の水は全身に染み渡ります。
ジリジリと日が照る真夏、クーラーでキンキンに冷えた部屋で食べるかき氷よりも、炎天下の外で汗を垂らしながら食べるかき氷のほうが美味いのと同じであります。

暑くなり喉が渇くこれからのシーズン、山中では特に水が重要で食料以上に生命に関わります。

はたして人間は水だけでどれくらい生きることができるのか?
水だけで長く生き伸びた事例はたくさんあり、平均すると1ヶ月ほど生きられるそうです。
これは静止している状態の話なので、疲労や気温の変化が激しい山中ではグンと縮まります。
冒険野郎マクガイバーでない限り、そこまでハードボイルドな状況に陥ることはありませんが、山に潜り込む時には取水ポイントは必ずチェックしておかなければなりません。

現在の山岳地図の多くは水のポイントが記されており、特に困ることはないと思われますが、自然が相手のため必ずそこに水があるとは限りません。
以前、どうしても水場がなくて困った時、ほんのりと湿っている土のエリアを見つけました。
その湿った土の辺りから真っ直ぐ100mほど下った岩の間から清流が染み出ており、大いに助かった憶えがあります。
たまたま運がよかっただけですが、常に保険として水を持っておくことは必要であります。

私は最低でも1リットルを切らないように気をつけています。
これはあくまでも飲み水であり、野宿場に着いて夕飯をこしらえ、朝飯をこしらえ、一杯のコーヒーでも楽しみたいと考えれば日が沈む段階で2リットル以上は持っていたいです。
2日ほど補給場所が望めない縦走路などでは5リットルほど持つこともあります。

自分が一日に使用する水の分量を知っておくのは大切でございます。
登山における取水量は計算式でおよその分量を算出できます。

脱水量(グラム)=5グラム×体重(キログラム)×時間

60キロの人が8時間の行動をすると、2.4リットル必要となりますが、あくまでも目安で個人的には2リットルもあれば大丈夫かなと思います。
長時間の有酸素運動になるので、間違っても500ミリのペットボトル1本で山へ出かける愚行はなさらないようにお願いします。

今日は、さらに真面目に続けたい気分です。
衛生面についてですが、私は幸いにも鈍感で、下品な胃袋を持っています。
山の水は常に直飲み、腹を壊したことは一度もございません。
ただ、上流に人の生活があったり、畑や田んぼの下流などは飲まないほうがよいと思います。
あとは動かない水は口にしないことにしております。

それでは、水に関する道具です。

【Platypus】
hoser_l.jpgバックパッキングには、もはや標準装備となったPlatypusのハドレーションシステムです。
ザックからホース部分だけを出し、チュウチュウします。
空の時はクルクル丸めておけます。
水を飲む時にいちいち重いザックを下ろさなくても歩きながら飲めるアイテムで、ぜひ持っておきたいです。
水分補給は喉が渇いてから飲むのは遅いと言われています。
なので、こまめにチュウチュウしたいところです。
容量が許すのであれば、たまにガブ飲みするのも爽快です。
別売りで1000円ほどの保温ケースがあるのですが、これはぜひ装備して下さい。
朝から夕方ぐらいまでしっかりと冷たい水が飲めます。
テント内では水まくらになったり、ヘッドランプをくっ付けると常備灯にもなり得るので便利です。
冬場はチューブが凍って吸えないので水筒に変えてます。


【MSR】 MINI WORKS EX
j02.jpg携帯型浄水器です。
ちょうど汲み上げ式の井戸をサイバーにした形です。
ハンドルでパスパスとポンピングして清水を作ります。
バクテリア、化学薬品、毒素などを濾過してくれます。
北海道の山へ入る時はキタキツネの糞から生成されるエキノコックスという菌が混入している恐れがあるので持ち歩くといいかも知れません。
池の水や水たまりでも飲料可にしてくれるので、世紀末覇者が救世主になる世の中になっても飲み水の心配はないと思われます。
450gあり、ややかさ張るので持ち歩く荷物や重量、胃袋の強度や水の補給場などを天秤にかけ、その有能なブレインで判断して下さい。

本日は真面目な話に終始してしまいましたが、こんな日もございます。
それだけ水は大事であります。
ハイシーズンになるこれからの季節、しっかり水を飲んで安全な山歩きを!

本日は以上です。
次回もよろしくお願いします。

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