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山行革命
山行革命
淡海
こんにちは、淡海(タンカイ)と申します。
山歩き、その道具類や考え方、精神論、野宿の方法、歩行禅から野グソまで「山は登るだけでは無い」事を色々書かせて頂きます。
本業、フリーライターです。

第五十四話 「大塚山」

10/05/28

IMG_8306.jpg こんにちは、淡海です。
若草色のオーバードライブ野宿!

今回は大塚山へさぶらいました。
大塚山は、ほとんど無名の山ですが、霊峰御岳山の西隣と言えばだいたいの位置は把握できますでしょうか。

山で野宿をする場合、有名な山のひとつ隣へ登るのがコツでございます。
有名な山は、やはりそれだけ魅力がある素晴らしい山と言えますが、人も集中します。
その周辺の山々は比較的、登山者も少なく野宿には好条件です。

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5時間寝坊をしました。
御嶽駅を降り、坂本商店で食材を購入。
田舎の食料品店は、なかなか風情がよいのでよく立ち入ります。
現代はこんなヘンピな! という場所にまでコンビニエンスストアがあったりしますが、あえて個人経営のお店を選ぶとよいです。

IMG_8302.jpgすべて均等化されたコンビニでは味わえない、その地独特の空気が青果や精肉の香りとともに漂っています。
そこにお金を落とすことは、少なからず過疎地を活性させるのではないでしょうか。

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水を補給し、歩を進める。
やや曇り空。

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登山口。
一昨日、雨だった為か土の締まりの具合が良いです。
鳥の声、ザックの軋む音、鋭い杉の匂いにアッパーです。

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いつものごとく、"第二の風"が体を押し上げるまで荷が重く、息が苦しいです。
歩行開始1時間ほどで快足に変形ス。

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小休止をとる。
飲料水の運搬は、新緑に合わせ【成元保水衛生分団長】に依託しました。
よく登山で「水のガブ飲みは禁物」とありますが、私はガブ飲み万歳です。
喉が渇いたら好きなだけ飲んだら良いです。
5月ですが、虫の襲来が激しいです。

IMG_8331.jpg本日の行動食は英国からやって来たタータンチェックの貴公子、Walkers SHORTBREADにしました。
"歩く"ための食べ物です。

IMG_8334.jpg小麦粉、バター、砂糖、水のみで作られています。
口に入れた途端、バターの超強烈な香りが鼻を突き上げ、素朴なウマ味がホロホロと舌の上で崩れていきます。
これは絶対にオススメさせて頂きます。
カロリーメイトより脳にクる感じで、肉体疲労時の栄養補給にはリポビタンDの2.6倍の効力があると認識しました。
ワケの分からない栄養素を体に取り込むより、ストレートに砂糖を摂取するほうが動力源となります。
ただ、1袋2本入りで130円もするので乱発できないのが難点です。

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そんな感動を味わっている横にはキノコが生えていました。
シメジ科のような感じですが、よく分かりませんでした。
キノコ図鑑買います。

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萌ゆる緑が期末テストを終えた高校2年女子の裏モモのようで、これからの輝きを期待させます。

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大塚山、頂く。
特に眺望が素晴らしいというわけではありませんが、静かな良い山です。

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たらこスパゲティと辛味ネギスープとチーズを食べる。

IMG_8337.jpg翌日は朝から降水確率が90%だったので、少し下った休憩所にテントを張ることにしました。
雨のテント撤収ほど面倒臭いことはないので。

IMG_8349.jpg隅っこを拝借して2辺を壁にしました。
遠慮もありますが、動物は防衛本能を持っているため、2面を壁で囲うと安心感が高まります。
ファミレスなどで無意識に角の席を取って落ち着くのは、野性が残っている証拠でしょう、と思いたいです。

夕方になり、少し薪を拾い集めました。
登山者も来ないのでラジオ聴いてちょっと寝る。

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焚き火する。
木を削ってクシを作り、ソーセージを焼いて食べました。
ススの風味が相まって、安ソーセージでも美味しいです。
少し肌寒い程度なので、火の温かさが心地良いです。

焚き火はセックスに似ております。
木をくべる時、焦り過ぎても、のんびりし過ぎても、燃え上がりません。
燃え方をじっくりと読みながら、絶妙のタイミングで良いあんばいの長さと材質の木を優しく突き入れ、消えかかると時に激しくかき混ぜ息を吹く。
ああ、最高だマイ・シャリーン......
アクメに達する炎は美しく、IKENAI!インビテーションであります。

IMG_8371.jpg辛味ネギスープにご飯をブチ込んで、雑炊を作る。
猫でも、もう少し見た目がマシなものを食べていると存じます。
本を読んで、ウトウトしながら最高にトロける深い眠りへ......

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朝。雨。

IMG_8375.jpgクランベリーパン、ソーセージ、チーズ、ポテトサラダ、コーヒーの朝食。
山ではなぜかザックの中でカチカチにコンプレッションされたパンが美味しく感じます。

IMG_8377.jpg足りなかったのでモチ入りラーメンを食べました。
インスタントラーメンは山中でいろいろ試してきましたが、サッポロ一番が具合良いです。
モチのスライスは無印良品の物がサイズ、分量的に分かっています。
ソーセージいっぱい持ってきてます。

食べ過ぎたので、また歩くのが超面倒臭い感じです。
食後は歯ブラシでドゥガン。

雨具を着てザックにレインカバーを被せる。
普段はウットウしい雨なのに、山でウキウキするのは、なぜでしょうか。
バチバチと雨に打たれつつも、レインウェアによって体が濡れない感覚はたまりません。
自然の攻撃に対して人類の英知が勝った快感。
でも、5年程使い込んだ雨具は所々防水機能を失っています。

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大塚山から隣の山へ移動。
ほどなく御嶽神社に到着。
ひとつ隣の山で泊まると、普段込み合う所へも早い時間に着けます。

IMG_8397.jpg参拝させていただきました。

IMG_8390.jpg山のド真ん中にお土産屋が軒を連ねる。

IMG_8400.jpgノスタルジーな建物でいっぱいでした。

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帰りはケーブルカー"青空号"。

IMG_8404.jpgケーブルカーは楽しいです。

IMG_8407.jpgケーブル駅には、mont-bellのコーナーがあるので、ナニを忘れても大丈夫でしょうか。

最近は躍起になって道具の情報を調べることもすっかりなくなってしまいました。
便利な道具は日進月歩で、尽きることがなくハイパー化が進んでおります。
そんな流れに食らい付く頭脳アウトドアは、自分に合わないと感じます。
どんなにスペシャルなウェアや道具を手にしても、使う人間が猿だと意味がありません。
今持っている物を粉になるまで使い込むことが格好良いことであり、使い始めた以上、最後まで面倒を見て葬り去るのが道具に対する愛でございます。
貧乏人のヒガミとも取れますが、貧乏なりに知恵と心で山を歩くことにします。
明日になったらそんなこと思ってないかも知れないけど。ペロッ。

本日は以上です。
次回もよろしくお願いします。

第五十三話 「山食考〜燕麦〜」

10/05/02

image-6.jpgこんにちは、淡海です。
本日は山食について考えます。

山食において、1〜2泊程度なら生米を持参して炊きたてを食べるのがよろしゅうございますが、長期になると重さと燃料、面倒臭さでなかなか苦労します。
山道具店などではフリーズドライされたアルファ米も売られていますが、何か味気なさが残ります。

そこで私はスーパーマーケットでも市販されているオートミール(燕麦)に目をつけました。

IMG_8253.jpg米国のバックパッキングフードとしてはポピュラーですが、日本ではマイナーな存在であります。
オートミールは籾殻を取り除いた燕麦を蒸してからつぶして乾燥させた物です。
白米と比べて食物繊維は10倍、カルシウムが20倍という数値で長期山行に不足しがちな栄養分をスマートに摂取できるシロモノだと知りました。
これを取り入れない手はない、山岳食に革命をもたらすミラクル炭水化物です。

とはいうものの、私はオートミールを一度も食したことがないので、購入してみました。
実験開始でございま〜す!

IMG_8259.jpg本日、用意したる火器将軍はTrangiaのアルコールバーナー。
半世紀以上も形を変えずに製造しているスウェーデンの燃焼具です。
形を変えないということは、完成している道具だということです。
タンクに2/3の分量で25分間燃焼します。
チタンのゴトクを使い、シェラカップで作ってみます。

IMG_8276.jpg注入。
薬局で売ってるアルコール以外に、ウォッカなど度数の高いお酒でも点火可能です。

IMG_8277.jpgX!
ガソリンやガスのバーナーは轟音とともに火が燃え上がりますが、アルコールは無音。
静かなること林のゴトク。
その炎のゆらめきは、女性的であり、2人乗りした自転車でブレーキを握るごとに後ろに乗せた女子高生の乳房が背中に当たるフィールライク。
嗚呼‥‥ムクムクムク、ムッキーンッ、万感胸に迫ります。

IMG_8274.jpgサラサラした質感で米とは比較にならないほどの軽さです。

IMG_8289.jpg水を入れ、わずか2分ほどで沸騰。
マズそうです。

IMG_8291.jpg完成。
まずは、ハチミツをかけてみました。

意外とモッチリした食感。
ハチミツのハニーさと相まってプリンに似た味です。
なかなか美味いです。
ここで使う"美味い"は、あくまで平地での"美味い"です。
山中では自然の中で食すことに加え、限られた制約の中で食べるので"美味さ"は平地に比べて4.3倍になると認識しております。
よって、山中で食べると"かなり美味い"と言えます。

IMG_8292.jpgたらこふりかけで食べる。

驚いたことに和風へと変貌しました。
十分美味いです。
燕麦からすれば、はるばるアメリカからやって来て、こんな物をかけられるとは思ってなかったでしょう。
堪忍下さい。

IMG_8294.jpg昆布をのせる。

私はさっきから家で何をやっているのでしょうか。
お母さんには見られたくない姿であります。
昆布もなかなかイケます。

IMG_8295.jpg味噌汁で少し炊き込んでみる。

これは美味い!
ちょうど底におこげが出来ており、口に放りこむと舌に程よいアタック感。
舌上を転がりながら短いディケイタイムを経て、スレッショルドしつつ鼻へと伸びるサスティン。
やがて喉の奥へリリースされる味噌の風味が味覚の粒を揃えます。
すいとんの様な郷愁を誘う味。
言い過ぎですが、麦を使った伝統料理と言って出されても頷きます。

【総括】

山中で米を炊くと、水に浸して10分、炊きで10分、蒸らしで10分と、計30分かかってしまいますが、オートミールは3分もあればすぐに出来上がります。
歩き疲れたあとの作業を考えると、この差は大きいです。
特に縦走の場合はグルメにこだわる手間と時間もなかなかございませんので、オートミールの活躍が期待されます。

確かにご飯と比べると味の面では落ちますが、モッチリした感触はそれなりに胃にたまるものと思われます。
ハチミツや砂糖を入れてレーズンなどをまぶすと洋風になり、カツオダシなどで和風ともなります。
無論、中華にもなり得るでしょう。
食物繊維タップリでウンコちゃんもいっぱい出るし! ヤッタ−!
今年はぜひオートミールをザックの食料庫に納品しようと思います。

山食考は科学者と同じです。
仮説、実験を経て答えが導き出されます。

本日は以上です。
次回もよろしくお願いします。
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