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山行革命
山行革命
淡海
こんにちは、淡海(タンカイ)と申します。
山歩き、その道具類や考え方、精神論、野宿の方法、歩行禅から野グソまで「山は登るだけでは無い」事を色々書かせて頂きます。
本業、フリーライターです。

第五十二話 「本物」

10/04/15

こんにちは、淡海です。
本日はバックパッキング書籍の代表的な物をご紹介します。

登山に関する書籍は数あれど、バックパッキング本はあまり多くありません。
広大な土地を果てしなく歩き続けるバックパッキングは、険しい山々で形成された日本の地に合わず、米国から流入するもイマイチ盛り上がりに欠けております。

それに加えて自然の中を歩く思想にも日本と欧米では多少なりとも差が感じられます。
我が国では山に神仏を見出し、崇拝するあまりどこか閉鎖的で修行的な山歩きの側面が強く残ります。
精神論で登頂に身をぶつける伝統的なマッスル登山部やガンコな山屋は良い例でしょう。

○ ○を100回踏破した。△△を厳冬期に単独で縦走した。
など、日本では結果やステータスに重きをおいた山歩きの風潮はまだまだ存在します。

一方、バックパッキングは自然への想いと開放感、変形する自分です。
山で飯食って、寝る。
だいたいの目的地は決めても、気分によって全然違うところに行ったり。
極端な話、一日500mだけの歩行でも構いません。
体に染み付いた普段の時計をブッ壊し、必要最低限の物以外から遠く離れることに意味があると思います。
そこに可笑しみを求めます。

バックパッキング本は70〜80年代前半あたりに良い作品が多いです。
ちょうどバックパッキング文化が日本に輸入された頃です。
どの本も楽しさに満ちており、変態的な表現で読む人をズブズブに引きずり込む禁断の書といえるでしょう。

本を思いっきり壁に叩きつけて、白目でザックに荷物を放り込み、アゴを突き出して歯グキを震わせながら、小走りで必死に山へ駆け出すこと必至でございます。


【遊歩大全】(1978) Colin Fletcher:著、芦沢一洋:訳IMG_7980.jpgゴッド・オブ・バックパッカー、コリンフレッチャーの"The New Complete Walker"を芦沢一洋氏が和訳したもの。
バックパッキングバイブルとして一番クレイジーな本です。
なぜ歩くのか? という考え方から始まり、野外道具に関する事柄を670ページにわたって延々と記されています。
表現がユーモアに富んでおり、フェティッシュな語り口でクイクイ読めます。
残念なことに、現在では法外な値段で取引されております。


【バックパッキング入門】(1976) 芦沢一洋:著IMG_7972.jpgこちらは以前紹介させて頂きました芦沢氏のバックパッキング本です。
"遊歩大全"よりもっと道具にフォーカスした内容で、最初に読むには少々マニアック過ぎるかも知れません。
でも写真が多いので見てるだけでも楽しいです。
扱う道具に時代を感じますが、その向き合い方や本質的な部分は今も同じです。


【バックパッキング】(1976) 栗飯原一成:著IMG_7974.jpgマジメそうな表紙ですが、カウンターを喰らいます。
バックパッキングの哲学をメインに構成されており、なぜか宇宙とドラッグの話が大きく盛り込まれています。
これだけを読んで山に入ると、とんでもないコトになるでしょう。
しかし、その偏り具合には好感が持てます。


【これからのバックパッキング】(1980) ジョン・ハート:著、細野平八郎:訳IMG_7967.jpgどのようにすれば自然へのインパクトを最小限に抑えることができるか? を徹底して追求した神経質全開な内容。
テントの色は派手なモノを使うなとか、山は歩くだけでダメージを与えているとか、かなり厳しいことを言われるスイマセンブックです。
30年前の書籍にも関わらず、今の自然の現状を的確に予知しているのには驚かされます。


【バックパッキング教書】(1982) S・アンダーソン:著、田淵義雄:訳IMG_7970.jpg最初に読むにはこの本をオススメします。
前半はシェリダン・アンドリアス・ムルホランド・アンダーソンの漫画で、後半は田淵義雄氏のアブノーマルな道具遍歴が綴られています。
今回ご紹介した中で、比較的入手しやすい本でございます。
塩水に足を浸して皮膚を鍛える方法などが記されております。

みんなもいっぱいご飯食べて、いっぱい本を読もう!

本日は以上です。
次回もよろしくお願いします。

第五十一話 「野宿塾〜白丸〜」

10/04/02

IMG_8032.jpg こんにちは、淡海です。
花粉によるノーズ・アタック・ダイナマイトの時期も過ぎ去り、ますます快調な今日このごろでございます。
今回は野宿塾です。

折しもこの日は強風吹き荒れる、季節の狭間。
前日まで強風警報が出ており、予断を許さない状況でした。
しかし、ここで山を諦めては男がスタる。
風に立ち向かい、自然の脅威と戦う姿こそ真の山人......


では、ない!
何でって木とか石とか風でバーン! 飛んできて、膝とかにダーン! って当たったらグーッ! 痛い!ってなるもん!

なるもん!!

急遽、登山はやめて、里にて野宿を遂行しました。
今回は白丸ダム周辺が野宿のベストフィールドである、との情報を得たので青梅線で奥多摩方面へ。

しかし、強風による倒木で電車がストップしており、途中の御岳駅止まり。
そこからバスに乗ろうとするも、道路に電柱が倒れて横たわっているとのことで通れず。
完全に交通機関が分断されました。
1〜2時間ほどで電車の運行が復旧するようだったので、御岳駅で時間をつぶす。
時折、ブンッと唸る突風が吹く。
ラジオによれば、強風は夕方までに止むらしかったので、とりあえず野宿はできそうで安心する。

IMG_7993.jpg14:28
鳩の巣駅で下車。
水道で水を4リットル確保。
駅前にて、ゆでたまごを50円で購入。

IMG_7995.jpg美味い。
ラーメンやどんぶりなど、半熟たまごがもてはやされてますが、私は絶対的にカチカチのハードボイルド物を好みます。
黄身が喉にカハッと詰まるぐらいのカパカパ感こそが、ゆでたまごの神髄であります。

IMG_7996.jpg14:46
白丸ダムに向けて歩く。
道路は奥多摩名物大渋滞。

IMG_8143.jpg15:02
10分ほどで白丸ダムに到着、駅からスグです。

IMG_8149.jpg大放水。

IMG_8036.jpgダムを渡るとその先は、大多摩ウォーキング・トレイルになっています。

IMG_8135.jpgアップダウンのない道が白丸湖に沿って続く。

IMG_8031.jpg16:42
水がありましたけどあまり美味くない。

IMG_8043.jpgトンネルを越えると......

IMG_8044.jpg17:02
里山の風景。
これはイカンなと思い、引き返して湖畔にテントを張る。

IMG_8083.jpg19:38
ハンバーグとポテト、コーン、山菜おこわの夕食。

IMG_8075.jpg食後は"ヒマラヤンシェルパティー"を飲む。
寝る前に歯ブラシでハクソー・ジム・ドゥガン。

HacksawJimDuggan.jpg【外国人レスラー名鑑】 Hacksaw Jim Dugan

IMG_8061.jpg今夜の天幕は"ザクレロ"です。
風は完全におさまり、静かな夜。
まだ少し寒いですな。

IMG_8051.jpg21:48
就寝。
深夜2半頃、小腹が空いたので、

IMG_8094.jpgきつねうどんをこしらえる。
食べて、また寝る。

IMG_8102.jpg7:22
起床。
気持ちの良い朝。
風による倒木の除去の為、森林局の人たちが朝から作業をして騒がしい。
野営に関しては何も言われず、「熊は出なかったか?」と訊かれました。
暗黙の了解なのか、一夜の宿りは許されるサイトだと思われます。

IMG_8117.jpg8:29
朝食。
パン、スープ、双生児、チーズ。
C.W.ニコルさんも、うつ伏せになって足で拍手するほどのウィルダネスモーニング。
シングルウォールテントの宿命である結露がヒドかったので、食後に干す。
撤収後にまた歩行を開始しました。

IMG_8151.jpg10:28
帰りは渓流沿いを歩く。

IMG_8153.jpgダムを横目にさらに前進、なかなか楽しい道です。

IMG_8159.jpgおや?


IMG_8163.jpgビジュアル系もピクニックです。

IMG_8127.jpg12:44
昼にもう一回きつねうどん食べる。

IMG_8173.jpg帰りに鳩の巣荘という旅館で、日帰り湯を発見。
奥多摩周辺の温泉は登山客だけでなく、観光客や無限に走り回るツーリングボーイたちであふれかえり、風呂場は芋洗い状態なのが難点です。
しかし、鳩の巣荘は道路に日帰り湯の看板が出てないので、知ってる人は少ないと思われます。

IMG_8172.jpg「御免下さい」
休日にも関わらず、湯治客はゼロ。

IMG_8171.jpg決して大きくない風呂場ですが、ゆっくり浸かることができました。
休憩室に山の写真集がたくさんありました。

IMG_8180.jpg帰りの電車で自称、奥多摩ハイキングマスターという老人に遭う。

IMG_8181.jpg自作のヒノキの切れっ端キーホルダーと爪楊枝、のど飴をくれました。
ヒノキには自分でトラの絵をマジックで描け、と言われました。

IMG_8186.jpg16:21
帰りに海鮮焼きそばを食べて終結。
もう、お腹いっぱいっス!


いよいよ行楽のシーズン到来であります。
この春から天幕野営にトライする方もいらっしゃると思います。
ファースト野宿には白丸ダムをオススメします。
駅から近く、人気のない静かな湖畔で野営できて、帰りにはシークレット温泉まであります。
40分ほど歩けば、コンビニもある保険付き。
酒好きはお気に入りの一本を懐にしのばせて、"一杯やる"ためだけでも十分価値はあります。
その背中に生活一式を託してみてはいかがでございましょうか?
ただ、熊だけは注意して食料や食べたゴミは必ずテントの中に入れて下さい。
全国民が野宿にドンハマりすることを切に願います。


本日は以上です。
次回もよろしくお願いします。
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